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山内客室本部長にインタビュー
昨年、航空業界初の女性執行役員が誕生したことが大きな話題となりました。山内客室本部長は1970年に客室乗務員(CA)としてANAに入社。以来、一貫して客室部門でキャリアを重ねている、まさに、私たちの大先輩に当たります。
「CAREER」最終回となる今回は、私たちCAのトップに立つ山内客室本部長へのインタビューをお届けします。
CAという仕事を選んだきっかけを教えてください。

 私は昔から人と接するのが大好きで、人に喜んでいただける仕事に就きたいと思っていました。そういった意味でもCAは憧れの職業でしたので、採用されたときはとても嬉しかったですね。今でもこの仕事を選んで本当に良かったと思っています。

ANAを選んだ理由についてはいかがでしょうか?

 ANAは、空に大きな夢を持った人々の手によって築き上げられた会社です。民間で航空会社を立ち上げるのはとても大変なことですから、関わっていた全ての人に熱い思いがなければ叶わないことでした。ANAにはそのDNAが強く残っています。純粋に空を愛し、お客様を思い、仲間を大切にする。そんな社風に惹かれました。

入社して感じたことは?

 親しみやすく温かく、とにかく一生懸命。思っていた通りの会社でした。ANAの熱い社風は、私の血に合うと思っています。仲間にも恵まれましたし、とても居心地がよかったですね。入社して35年になりますが、あっという間の年月でした。

これまでのキャリアを築くにあたり、自身の原動力となっているものは何でしょうか。

 入社当初はお客様と接することが楽しくて、ただがむしゃらでした。10年ほど経つと徐々に客観的になり、「ただフライトを楽しんでいるだけではダメだ」と思うようになりました。というのも、お客様により良いフライトをしていただくためには、CAもマーケティング機能を持つべきではないか。CA一人ひとりが社員としての自覚を持ってこそ、より水準の高いサービスが生まれるのではないか。そう考えるようになったからです。この「お客様により良いフライトを」という想いは、現在でも全ての根幹であり、私の原動力でもあります。
 CAという職業について自分なりに考えるようになってから、それを具現化するために様々なことを実行してきました。そして今に至るわけですが、その過程には常に仲間の存在がありました。同じ思いを持った同士がいたこと。今まで仕事を続けてこれたのは、大切な仲間がいたからと言っても過言ではありません。

山内客室本部長はCA時代、1万飛行時間を達成していますが、思い出に残るフライトがありましたらお聞かせください。

 思い出深いフライトは沢山ありますが、「これで辞めてもいい」とまで思えたのは、グアム就航のモニターフライトです。当時ANAにとってアメリカ行きの定期便は一つの大きな夢でした。その夢が実現したのは一重にお客様のおかげですから、復路の着陸後、できる限りの思いを込めてお礼のアナウンスをしました。アナウンスが終わると、モニターのみなさまが次々にスタンディングオベーションしてくださって。本当にCA名利に尽きる瞬間でした。

管理職に就いてからはいかがでしょうか?

 やはり一番印象に残っているは、管理職に就いて最初のプロジェクト「客室本部への目標管理(MBO)の導入」ですね。機内が職場であるCAに目標管理を徹底させるのは非常に難しいことでしたし、慣れないデスクワークに戸惑いもありました。たくさんの人に助けられながら必死で勉強して‥。あの時は非常に悩みましたが、結果的には良かったと思います。その時の資料は今でも大切に保管しています。
 その後も関西空港の立ち上げや、教育訓練部における新しいカリキュラムの導入など、さまざまなプロジェクトに携わってきましたが、本当にひとつひとつが思い出深いものとなっています。

現在、客室本部長として目標にしていることはありますか?

 今はまさにサービスの品質が問われる時代。航空業界において、その最たるものはCAだと思っています。より質の高いCAを育てること、「親しみやすさ・笑顔・気付き」の姿勢をさらに進化させていくこと。それらを通して、価値のあるフライトをお客様に提供していくこと。それが客室部の目標ですし、私の役割だと思っています。

仕事における、延いては人生におけるモットーを教えてください。

 ツライことや嫌なことは逃げずに向かい合い、そして一生懸命にやる。これは私が全てにおいて、常に心がけていることです。一生懸命やれば遅かれ早かれいつかは報われると信じています。そうすることで物事を前向きに捕らえることができますし、その方が断然楽しい。せっかくの人生ですから「思いっきりやった」と思える生き方をしたいですね。

では最後に、20代、30代の働く女性へ何かアドバイスをお願いします。

 一日の大半を占める仕事は人生の一部。ということは、仕事を通して自己実現が可能になるということでもあります。同じように、会社に勤めるということも、会社という組織を借りて自己実現をしていると捉えることができます。「自分は今、仕事を通して夢を現実のものとしている」そう自覚することで、仕事は一段と楽しくなるはずです。それからもうひとつ。何でもいいので一つ得意科目を作ってください。それが最終的には自分への自信に繋がりますし、人生を豊かにしてくれるはずです。
 自分の人生は自分で楽しまないと!嫌なことは逃げても必ず追いかけてきます。どうせやらなければいけないなら、その都度きちんと向き合い、かつ一生懸命に取り組む。そうすれば、自ずと結果が付いてきます。これは私自身がこれまでのキャリアの中で得た教訓です。
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